「自分で調べてこそ『自分の人生』」
総監修・林康史さん、漫画・平岡篤一さん、編集・ループスプロダクションの『マンガでわかるジム・ロジャーズの投資術』を読みましたので、私の感じたポイントをご紹介します。
【書籍情報】
題名 :マンガでわかるジム・ロジャーズの投資術
総監修:林康史
漫画 :平岡篤一
編集 :ループスプロダクション
出版 :Standards
発売日:2022/3/16
本の長さ:176ページ
おすすめ度:★★★☆☆
読みやすさ:★★★☆☆
読了:2024/05/04
媒体:PrimeReading
※PrimeReadingは月に数十冊の入れ替わりがあるので、タイミングにより閲覧できない場合があります。最新情報は公式HPをご確認ください。
この記事の目次
本書との出会い:マンガでわかる〇〇の投資術シリーズ読書中
PrimeReadingにて、『マンガでわかる〇〇の投資術』シリーズが計4冊、読み放題に登録されており、「金融リテラシー(より良い生活を送るために必要なお金に関する知識や判断力)」をつけるために順番に読書中です。
すでに同シリーズの2冊を読了。
今回は、シリーズ第3弾のジム・ロジャーズです。
概要
歴史を知り、そこから徹底的に投資対象に関する情報をリサーチ、投資のシナリオを構築する!
ファンド設立から10年で4200%の運用成績を叩きだし、かの投資家ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスとともに世界三大投資家の一人として注目される投資家「ジム・ロジャーズ」。
銘柄や金融商品の動向をいかに考え、情報をどう整理するのか?
最強アナリストの手法と考え方を人生を通して学ぶ!「あなたの投資術」の土台を作り上げる。必読の情報をマンガから理解する!
Amazon商品ページより
私が感じた『マンガでわかるジム・ロジャーズの投資術』のポイント
「株式」の価格ではなく「企業」価値を徹底的に調べる
本書では、同シリーズのバフェットやリンチの本のような「◯個の手法」的なまとめ方はほとんど出てきません。
個人的に感じた強烈なメッセージは「自分がちゃんと分かるまで徹底的に調べる」ということ。
ロジャーズは、株価は1つの基準にすぎず、その企業の価値を現地に足を運んだり、マニュアルレポート(有価証券報告書などの定型の財務情報だけではなく、企業理念や経営ビジョン、事業の戦略や動向などの非財務情報)を読み込んだりと、企業の実態や価値がとても重要だと述べています。
また、
投資でも勉強でも、成功したければ、それについて熟知しておかなければならない
出典:マンガでわかるジム・ロジャーズの投資術(p.11)
「大勢に従って成功した者はこれまで誰もいない」のだから、自ら学び、考え、行動することが求められる。
出典:マンガでわかるジム・ロジャーズの投資術(p.43)
などの記載もあり、自分の人生(投資生活)が大切であるからこそ、自分で徹底的に調べる必要があると分かります。
企業や業界の「歴史」の重要性
もうひとつ、「投資で成功したければ、歴史を学べ」という言葉も、本書における重要なメッセージです。
これは、過去の経済的・社会的情勢の変化によって現在があるのだから、その変化と当時の株価の関係を調べることで、将来を予想できるのではないか?という考え方に基づいています。
以下は、総監修の林康史さん(立正大学経済学部教授)が、ご自身のゼミ生が就職活動の準備をする際に紹介している手法です。
就職活動は「=会社選び」であり、投資に通じる考え方ができるととらえ、ロジャーズの投資術とほぼ同じ手順を活用されておられます。
- 社会の変化を察知し、それを担う企業を探る
- 社会と業界を俯瞰し、位置づけや財務を把握する
- 企業の実態や活動そのものを見る
- 財務情報から将来を判断する
どちらかというとジム・ロジャーズが好きな人が楽しむために読む本
ジム・ロジャーズは、ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び「世界3大投資家」と称される一方、バイクで世界一周しその経験を本にまとめるなど、「冒険投資家」というちょっと変わった側面もあります。
(もちろん世界一周で現地の経済・社会を肌で感じることで、ロジャーズの投資に活かされています)
この経験ゆえなのか、それとも監修される方によるのか、読み終わった今、「投資のことを学ぶ本」というより「ジム・ロジャーズの人物像が分かる本」という印象が残っています。
ですので、「お金の勉強がしたい」とか「ジム・ロジャーズの投資術を学びたい」という人よりは、「世界3大投資家の1人のジム・ロジャーズってどんな人だろう」という人向けの本だと思います。