知識・教養

『面白すぎる!日本史の授業』感想|私の知らない歴史が盛りだくさん

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

歴史は不変ではなく、研究によって更新されていく

お笑いコンビ「ブロードキャスト!!」のツッコミ担当・房野史典(ぼうの ふみのり)さんと多摩大学客員教授&早稲田大学非常勤講師で歴史研究家・河合敦(かわい あつし)さんの『面白すぎる!日本史の授業』を読みましたので、私の感じた魅力をご紹介します。

【書籍情報】
題名 :面白すぎる!日本史の授業
著者 :河合敦、房野史典
出版 :あさ出版
発売日:2022/2/20
本の長さ:ページ(Kindle換算)

おすすめ度:★★★☆☆
読みやすさ:★★★★☆

読了:2024/04/27
媒体:PrimeReading

※PrimeReadingは月に数十冊の入れ替わりがあるので、タイミングにより閲覧できない場合があります。最新情報は公式HPをご確認ください。

本書との出会い:日本の歴史に興味がでてきた

私が日本の歴史について「勉強」をしたのは、もう30年くらい前の話です。(大学受験は世界史)

そんな中、最近読んだ本の影響で、「日本の歴史について、もうちょっと勉強したいな~」と思っていたところ、ドンピシャの本を見つけました(笑)

しかも、商品ページのサンプルで目次を見てみると、興味を惹かれる文章がかなりたくさんありました。

Amazon商品ページより

「聖徳太子が脇役!?」

「鎌倉幕府が1192年(イイクニ)じゃなくて1185年(イイハコ)!?」

こんなの、読むしかないじゃないですか(笑)

概要(Amazon)

大人のみなさんがかつて習ったあの歴史もあの人物もほんとうは……。
最新の歴史研究はどんどん進み、日本史はいまどんどん変わっているんです!
本書はそんな変わりゆく日本史を歴史芸人・房野史典氏が超現代語訳でおもしろく、
そしてNHK歴史探偵でおなじみ河合敦先生が最新歴史研究からアカデミックに洗いなおします。

Amazon商品ページより

 

私が感じた『面白すぎる!日本史の授業』の魅力

まさに自分が知らない「歴史の新常識」が盛りだくさん

私が学校で日本史を学んだのは、もう30年くらい昔の話です。大河ドラマや歴史小説は好きですが、「作品の世界」として認識してしまうので、なかなか「日本史」にふれる機会がありませんでした。

そんな私が本作を読むと、「え、マジで!?」の連続です。

「詳細が不明だった◯◯が、近年の研究でだんだん、どんな人か明らかになってきました」レベルの話ではありません。

私が勉強した当時とは、全く異なる話が、現在の主流になっていたりするんですよ。

例えば、私が習った鎌倉幕府の始まりは1192年。「イイクニ作ろう鎌倉幕府」とか語呂で覚えました。今はこれが1185年(イイハコ)という学説が主流になってるとか……。

昔覚えた年号って、いまどれくらい使えるんですかね(笑)

内容がシンプルで分かりやすい

どんな人がどんな思いでどんな事をして、どんな結果になったのか。難しい文章がたびたびジャマをしてくるかもしれないけれど、その言葉たちを完全に理解するのはあとになってもかまいません。
知ってほしいのはストーリー。いろんな時代の人がいろんな考えを持っていたことを、ぜひともつかんでください。

出典:面白すぎる!日本史の授業(p.6)

本書の「はじめに」にて、↑のような記載がありますが、まさにこの通りで、それぞれの項目についてとてもシンプルにまとめられています

全体の構成としては、房野(ぼうの)さんが芸人らしさを発揮して、面白おかしく導入(認識確認のためのおさらい)をつくり、歴史研究家の河合さんが、学術的な流れを説明する、という形です。

各項目の「人」や「事実」について、最低限の関係性に絞って解説して歴史の流れとともに説明してくれるので、「この人だれだっけ?」とか「この部分はどう関係するんだろう?」と余計なことを考えずに読むことができます

どちらかというと30代以上の人向け

本書のAmazon商品ページには、下記のような紹介文が掲載されています。

歴史に興味がなくても、子どもからお年寄りまで笑い驚きながらスラスラと読めてしまう本書は、すべての人の知的好奇心をくすぐり、大人の学びなおしにもお勧めの一冊です。

Amazon商品ページより

ただ個人的には、これから歴史を学ぶ、または現在学んでいる子どもより、すでに歴史を学んだ大人の方がもっと本書を楽しめる気がします。

本書のキモは、「あなたの習った歴史って◯◯じゃありませんか?」→「うん✕2、確かに」→「実はそれ、嘘なんですよ(今の学説の主流は違うんですよ)」→「マジで!?」という驚きを楽しむことだと思います。

だからこそ、歴史を学んでから時間が経過している大人が読むことで、「自分の常識」が崩れて、学び直すことへのきっかけになるのではないでしょうか。

 

歴史は変化する

たくさんの歴史家が、当時の情報をもとに様々な研究を行うことで、どんどん「新しい歴史」が生まれる。

「私の常識はみんなの非常識」という言葉がありますが、「今の歴史の常識は、未来の歴史の非常識」になるかもしれない、と思うと、もっと歴史を勉強したくなります。

「様々な作品で描かれる大悪党が、実は英雄だった」みたいな話が生まれるのが楽しみですね(笑)